中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律について
中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律
(金融円滑化法)が2009年12月4日に施行されました。
○本法律の概要
この法律は、資金繰りが苦しくなった中小企業や、雇用悪化・景気悪化のため所得が減少し住宅ローンを返済できなくなった個人債務者が、金融機関に対して貸付条件の変更を求めてきた場合、金融機関はできるだけこの要求に対してできる限りの措置をとるように努める義務をかするものです。
○金融機関が義務づけられる対応
金融機関は借り手と協議の上、貸し付け条件の変更(返済猶予、金利の減免、返済期限の延長、債権放棄)の要求にできるだけ沿うように努力する義務を負います。
○金融機関に対する上記「努力義務」の金融監督庁によるチェック体制
これらの努力義務を金融機関を実施ししているかどうかは、金融監督庁のヒアリング・通常の監督事務などを通じて行われる他、銀行は三ヶ月ごとに、信用金庫等は半年ごとに条件変更に応じた件数や金額を開示する必要があります。
また、これらの努力義務を怠ると、業務改善命令などの処分を科される可能性もあります。
○この制度の利用にあたって心配なのは…
このような条件変更の制度を利用すると、今後金融機関からの借入がしにくくなるのではないかということが懸念されています。
○債務整理と金融円滑化法
今までは住宅ローン支払って行かんが為に消費者金融などから借入をし、多重債務に陥って行くというケースも多々あったのではないかと思います。
なぜかというと、住宅ローンはほぼ自宅に担保権が設定されているため、どうしても債務者の立場が弱いからです。
本法律が施行されてからは、新たな借入をして住宅ローンの支払をする前に、まず住宅ローン会社と条件変更の相談をしてみることが無駄ではなくなったということはいえるでしょう。
但し、本法律はあくまでも「努力義務」であり、どこまで実際に効力があるかはこれからの運営の様子を見て行かないとわからないところではありますが…
○時限措置
この法律は2012年3月末までの時限立法となっています。