遺言書を書くときに気をつけることについてその2 遺留分について
●前回のおさらい
前回は、遺言書を作成する上で、「民法」の規定に関する知識を
持っておくべきでしょうというお話をしました。
今回は具体的に民法のどのような規定を知っておくべきかについてお知らせします。
まず最初にお伝えしたいのは「遺留分」に関する規定です。
●遺留分とは
「遺留分(いりゅうぶん)」とは、
兄弟姉妹以外の相続人に確保された、遺産を受け取る権利の事です。
民法の条文は次のようになっています。
第1028条
兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受け取る。
一 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一
二 前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の二分の一
●遺言書と遺留分の関係について
たとえば、父甲がいて、その長男Aと次男Bの2人が相続人だとします。
父甲が遺言書で「長男Aに全ての財産を相続させる」と書いたとしましょう。
ところが次男Bは相続人なので、被相続人の財産の2分の1の2分の1、つまり四分の一の遺留分をもっています。
ここで、甲が死亡した後のことを考えてください。
次男Bが長男Aに対して「遺留分」を請求したときにどうなるでしょう?
兄弟間には険悪なムードが漂うのではないでしょうか。
そのような事にならないよう、父甲は「遺留分」の事を考えて
遺言をすべきだったのです。
たとえば、次男には遺留分相当額の財産を相続させる旨の遺言を書くなどの対策が考えられたでしょう。
このように、遺言書を作成する上では知っておくべき民法の規定があります。
次回はその続きとして「寄与分」についてお知らせいたします。
では、また次の機会に。