遺族年金について
相続問題で関連する年金と言えば、遺族年金と言うことになります。
今回は遺族年金についての概略を書いてみたいと思います。
公的な年金には、老齢年金・障害年金・遺族年金の3種類の年金があります。
遺族年金とは、生計の担い手である被保険者が死亡したとき、その人によって生計を維持されていた一定の遺族に支給される年金のことです。
遺族年金には、国民年金から支給される国民共通の遺族基礎年金のほかに、厚生年金保険の遺族厚生年金と共済組合などの遺族共済年金があります。
遺族基礎年金は、国民年金の被保険者などが死亡したとき、その者によって生計を維持されていた子のある妻または子に対して支給されます。
この場合の子とは、18歳の年度末までの子および20歳未満であって障害の程度が1、2級の子が該当します。
ただし、子に対する遺族基礎年金は、妻に遺族基礎年金の受給権があるとき、または生計を同じくする父または母があるときは、その間支給が停止されることになります。
遺族基礎年金の年金額は定額で、妻と子1人では年額101.59万円(23年度)、子の人数によって加算がつきます。
遺族厚生年金は、厚生年金の被保険者や老齢厚生年金の受給権者などが死亡したとき、その遺族に支給されます。
遺族の範囲は、遺族基礎年金の支給対象となる遺族(子のある妻または子)、子のない妻、被保険者が死亡したときに55歳以上である夫、父母、祖父母(いずれも60歳から支給)、それから孫となります。したがって、遺族が子のある妻または子のときは、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方が支給されますが、その他の遺族には遺族厚生年金のみの支給となります。
遺族厚生年金の年金額は、報酬比例の年金額の3/4を基本として、妻が受給権者の場合は、これに中高齢の寡婦加算額または経過的寡婦加算額を加えた額となります。
遺族厚生年金の年金額の計算では、被保険者期間中の死亡などで被保険者期間が300月未満のときは300月として計算する最低保証があります。
遺族共済年金の仕組みは、遺族厚生年金とほぼ同じ仕組みとなっています。