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社会保険労務士 栗林 隆

子ども家庭省(仮称)」の創設が議論されています

平成21年12月8日に閣議決定された「明日の安心と成長のための緊急経済対策」に基づいて、幼稚園保育園一体化を含む新たな次世代育成支援のための包括的・一元的なシステムの構築について検討を行う、政府の「子ども・子育て新システム検討会議」がスタートし、全6回の有識者からの意見聴取を経て、4月27日に、子ども・子育て新システムの基本的方向が発表されました。

 現在の子ども・子育て支援対策が事業ごとに制度設計や財源構成が分かれていることから、推進体制を「子ども家庭省(仮称)」に一元化し、幼稚園・保育所の一体化などの制度改革に取り組むことを盛り込んでいます。

 

☆子ども・子育て新システムの基本的方向(案)

【目的】

子ども・子育て新システムでは、以下のような社会を実現

○ すべての子どもへの良質な成育環境を保障し、子どもを大切にする社会

○ 出産・子育て・就労の希望がかなう社会

○ 仕事と家庭の両立支援で、充実した生活ができる社会

○ 新しい雇用の創出と、女性の就業促進で活力ある社会

【方針】

以下の方針のもとに、制度を構築

○ 子ども・子育てを社会全体で支援

○ 利用者(子どもと子育て家庭)本位を基本とし、すべての子ども・子育て家庭に必要な良質のサービスを提供

○ 地域主権を前提とした住民の多様なニーズに応えるサービスの実現

○ 政府の推進体制の一元化

【新システムとは】

以下のような新システムを実現

○ 政府の推進体制・財源の一元化

○ 社会全体(国・地方・事業主・個人)による費用負担

○ 基礎自治体(市町村)の重視

○ 幼稚園・保育所の一体化

○ 多様な保育サービスの提供

○ ワーク・ライフ・バランスの実現

 

■新システムにより実現されるもの

○ 幼保一体化による幼児教育・保育の一体的提供

・ すべての子どもに質の高い幼児教育・保育を保障するため、幼稚園教育要領と保育所保育指針を統合し、小学校学習指導要領との整合性・一貫性を確保した新たな指針(こども指針(仮称))を創設

・ 幼稚園・保育所の垣根を取り払い(保育に欠ける要件の撤廃等)、新たな指針に基づき、幼児教育と保育をともに提供するこども園(仮称)に一体化

・ 新システムの下で幼児教育・保育を一体化した「幼保一体給付(仮称)」を創設

○ 仕事と生活の両立支援と子どものための多様なサービスの提供

・ 妊娠~育児休業~保育~放課後対策の切れ目のないサービスを保障

* 育児休業の給付と保育を一元的に制度から保障し、育児休業明けの円滑な保育サービス利用を保障

* 多様な働き方、ニーズに応じ、多様なサービスを独立した給付類型として創設(※)

* 「小一の壁」に対応し、保育サービス利用者が就学後の放課後対策に円滑に移行できるよう、放課後対策の抜本的拡充、小四以降も放課後対策が必要な子どもに、サービスを提供

※ 多様な給付メニュー:家庭的保育、小規模サービス、短時間利用者向けサービス、早朝・夜間等保育サービス、事業所内保育サービスなど

○ 待機児童の解消(集中的整備や多様な提供主体の参入等)

・ 保育所を始めとして、多様な給付メニューを集中的に整備(子ども・子育てビジョンの目標達成)

・ 非正規労働者、自営業者、求職者にも両立支援としての給付を確実に保障し、利用者が選択できる給付を保障

* 親の就労状況に応じた公的保育サービスの保障

* 市町村の関与の下、利用者と事業者の公的保育契約

* 一定の利用者負担の下、利用者に対し、必要な費用を保障

* 必要な給付の保障責務や利用者の支援など、市町村の責務の明確化

・ イコールフッティングによる多様な事業者の参入促進

* 給付類型ごとに客観的基準を設定し、その基準を満たせば多様な事業主体の参入を可能とする指定制度の導入

* 施設整備費(初期投資費用)の在り方、運営費の使途範囲、配当、会計基準についての一定のルール化

・ 施設型保育だけでなく、地域におけるNPO 等による家庭的保育、小規模サービス等の取組支援の拡充

 

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