「できていますか?長時間労働対策」
厚生労働省では、長時間労働などの改善に向けた労使の取り組み
を促すために、11月に「労働時間適正化キャンペーン」を実施
しています。
このキャンペーンでは、以下の3点について重点的に取り組みが行われています。
(1) 時間外労働協定の適正化などによる時間外・休日労働の削減
(2) 長時間労働者への医師による面接指導など、健康管理に関する措置の徹底
(3) 労働時間の適正な把握の徹底
労働時間等の現状をみると、週の労働時間が60時間以上の労働者
の割合は減少傾向にはありますが、平成23年の統計では、1週間の
労働時間が60時間以上の労働者の割合は9.4%となっており、特に
働き盛りの30代男性では18.4%になっているなど依然として高い
水準で推移しています。
一般的に、時間外・休日労働が月45時間を超えて長くなるほど、
業務と疾患の発症などとの関連性が強まるとされています。
厚生労働省が年1回取りまとめている過労死や仕事のストレス
による精神障害の労災請求件数や、業務上疾病と認定され労災
保険給付を決定した支給決定件数も下記の通り増加傾向にあり
ます。
●過労死など、脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況
・請求件数は898件、前年度比96件増。2年連続で増加。
・支給決定件数は310件、前年度比25件増。4年ぶり増加。
●精神障害に関する事案の労災補償状況
・請求件数は1,272件、前年度比91件増。3年連続で過去最高。
・支給決定件数は325件、前年度比17件増。過去最高。
長時間労働については、過労死や過労自殺、精神障害などが社会
問題となったこともあり法規制も厳しくなってきています。
会社が労働者の健康状態に配慮する必要があることはご存知の
ことと思いますが、当然ながら労働者が健康に支障をきたすと
併せて事業活動にも影響が出てきます。
労働者への配慮のためにも、また、円滑に事業活動を推進する
ためにも、まずは、労働者の疲労蓄積度診断チェックリストで
会社の状況を確認されてみてはいかがでしょうか。
【労働者の疲労蓄積度診断チェックリスト】
http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/06/tp0630-1.html