震災二重ローンに苦しむ方へ‐自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインについて
司法書士の佐々木です。
平成28年(2016年)熊本地震、たいへんな事態ですね。
同じ九州に住む人間としていち早い復興を望みます。
本日は
「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」
についてお伝えいたします。
上記は
金融機関等団体、日本弁護士連合会、商工団体等の関係者等が
中立公平な学識経験者などとともに協議を重ねて策定したもので、
平成27年12月に発表されました。
概略を申しますと
震災などの自然災害により
住宅ローンで建てた住宅が損壊してしまった、
事業融資をうけて建てた事業所が損壊して仕事ができなくなった、という場合。
再建のため、
再度住宅ローンや事業融資をうけたいのですが
従前の借入が残っているので融資をうけられず、
再建できないということになります。
東日本大震災においても
上記二重ローン問題は大きな問題として
金融機関、法曹、商工会などで協議されてきました。
その流れをうけ、今回の
「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」
が発表されたということです。
本ガイドラインを使うことによってなにができるかと言えば、
被災者が、
登録支援専門家という弁護士や税理士などの専門家に依頼して、
住宅ローン債権者や事業者のメインバンクと
債務の支払条件の変更や債務免除についての
交渉(特定調停)をさせることができる。
ということです。
さらに、ガイドラインの特徴を三つあげます。
(1)登録支援専門家という弁護士や税理士・会計士などには無料で相談ができる
(2)債務の減免を受けても個人信用情報に登録されない=再度借入ができる可能性が高い
(3)債務の免除益に課税されない
もちろん、本ガイドラインは法律ではないので
相手方金融機関がガイドラインに従わなければならないという法的拘束力はないでしょう。
しかし、ガイドラインは政府の各省をオブザーバーとして交えて策定されたものなのでそれなりの実効性あるものと思われます。
被災されて二重ローンに困るような方は
是非いちどご検討されてみてはいかがでしょうか。
最後に本ガイドラインに関するリンクを張っておきます。
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