気配りの意識
先日、来院患者数の多い病院窓口を訪れたときのこと。
受付カウンターには2名の女性が座っていましたが、片方のカウンターには
別の患者さんが待っていたため、私は空いているカウンターへ行きました。
受付スタッフは忙しそうに下を向いて仕事に集中していて、私には気付きま
せんでした。
私が「すみません」と声を掛けると、怪訝(けげん)そうな顔をして手を止め
ました。
約束があって来たことを告げると、さらに眉間にシワを寄せて取り次ぎの対応
をしました。
忙しい仕事の邪魔をしてしまったようで、何だか気が引けました。
ふと横のカウンターを見ると、先ほどから他の患者さんが何も言わずにずっと
立ちっぱなしです。こちらの受付スタッフも、やはり忙しそうに下を向いて仕事
に集中しています。
患者さんと一緒に私もじっと見つめたせいか、スタッフは視線に気付いたようで、
やっと顔を上げました。
「なんでした?」冷たく言い放つ一言に、
それはちょっと・・・・
と言いたくなりましたが、当の患者さんはそれでも不満を言わずに用を告げました。
言いたくても言わない患者さんはまだまだ多いのです。
さて、ここで本来すべき対応は、どのような形であったのでしょうか?
それは、受付スタッフ側が患者様に気を利かせる対応です。いわゆる”気配り”を
するということ。
“気配り”とは、気配(けはい)を感じて行動をすること
自分のことだけで精一杯になっていては周りの気配を感じることはできません。
どんなに忙しくとも、意識の中に周りを気遣うことを置いておくこと、それが秘訣です。
意識をして行動することを繰り返せば、いつしかそれが当たり前という無意識の行動
パターンに落ちてゆきます。
自分で意識してトレーニングすれば、感受性は豊かになります。どんなに忙しくても、
周りを感じ、相手を感じ、素早く行動できる力を身につけ、患者さんを心から気持ち
良く迎えたいですね。