新型インフルエンザを理由として従業員を休ませる場合の給料の取り扱いについて
新型インフルエンザに感染した従業員または、感染が疑わしい従業員が休む場合の「給料の取扱い」について解説します。
新型インフルエンザを理由として従業員を休ませる場合、
(1)感染した人
(2)感染が疑わしく、国の要請等で医師の受診を受けるため休む人
(3)感染が疑わしく、自主的な判断で休業をさせる人
に分けて考える必要があります。
ちなみに、これは平成15年に流行したSARS(重症性呼吸器症候群)に関し、愛知労働局から厚生労働省への照会(※別紙参照)を参考にしています。また、労働基準法26条では下記の旨を定めています。
(休業手当)
第26条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。
上記の(1)(2)は、会社の指示ではないため、休業手当は不要です。しかし、(3)の人には休業手当を支払わなければなりません。休んでいるという事実は同じでも、法律上の取り扱いが異なります。
以上
※(参考資料)
「平成15年SARS流行時の愛知労働局の照会に対する厚生労働省の回答」要旨
休業手当の支給要件である「使用者の責めに帰すべき事由」の判断基準について
1.感染症予防法その他の法令に基づく就業制限業務に従事する罹患労働者を休業させることは、「使用者の責めに帰すべき事由」に該当しません。
2.罹患労働者を就業制限業務以外の業務に従事させることを十分検討する等、休業の回避について使用者として行うべき最善の努力を尽くしていないと認められた場合は、「使用者の責めに帰すべき事由」に該当し、休業補償の対象となります。
3.感染症予防法その他の法令に基づく就業制限業務及び厚生省通知に基づく行政指導における対象労働者、休業の期間・業務の範囲を超えて労働者を休業させることは、「使用者の責めに帰すべき事由」にあたります。