取引先の倒産に対する掛金の増額検討を!
一般的に経営者は、事業を拡大させるときは、様々な事に想いを巡らせ計画を
立てるが、いざ守る経営になるとあまり熱心でないし、撤退となると計画すらしない
ことが多い。
(撤退も経営戦略であり、一番難しいといわれている。撤退は敗北とはちがうし、
正しい撤退戦略がないと敗北へとつながってしまう。)
今回は、以前もご紹介した中小企業倒産防止共済制度について説明します。
取引先が倒産したとき、その取引先への債権があるとそのほとんどを回収する
ことはできません。当然事業の資金繰りに影響を及ぼします。
金融機関などから資金調達をしようにも、利子や担保、保証人などを考慮しなけ
ればなりませんが、これらを考慮したとしても金融機関から借りることもままならない
場合があります。このような場合のために、取引先が倒産した際、無利子・無担保・
無保証人で資金を借りることができる制度が「中小企業倒産防止共済制度」です。
1.共済制度の内容
中小企業倒産防止制度では、掛金を積立て、取引先が倒産した場合〔破産手続
開始・再生手続開始・更生手続開始等の申立又は手形交換所の取引停止処分(手
形の不渡)を受けた場合を指します。なお、取引先の「夜逃げ」「内整理」等は含ま
れません。〕 などの理由により、積立てている掛金総額の10倍を上限に無利子・無
担保・無保証人で資金を借りることができます。
ただし、資金の借入を受けると借入額の10分の1に相当する積立金が消滅します。
2.借りることができる額
現在、積立てられる掛金は320万円が上限であるため、借入限度額は掛金の10倍
である3,200万円です。
しかし、近年では高額な倒産が多くなり、法改正がされる予定です。予定では、上限
額は掛金が800万円(経費)借入額は8,000万円です。
すでに320万円まで掛金を積立てている事業者でも、増額の検討をされて、守りを
固められてはどうでしょうか!