2011年以降に予定されている労働関係法の施行
現在、労働政策審議会では有期労働契約についての検討が進められており、労働者派遣法改正も含めて、今後雇用のあり方に関する様々な動きや規制が出てくるものと予想されていますが、2010年は人事労務管理を行う中でもっともインパクトのある労働基準法や育児介護休業法等の改正が行われました。そのため、企業においては法改正に対応した規程整備を行なっておく必要があり、既に法改正に対応した新制度の適用が開始されているところではないでしょうか。しかし、法改正が実施されても、中小企業については猶予措置が設けられていることがあり、実際に適用となるのが2011年以降であることが少なくありません。そこで、以下ではその主なもの(2010年10月28日時点)を取り上げてみましょう。
直近では2011年4月1日より101人以上の事業主に対して「一般事業主行動計画」の届出が義務化となることから、早めに行動計画の検討を行う必要があります。また、今年4月に施行された改正労働基準法(法定割増賃金率の引上げ)は労働基準法第138条に規定する中小事業主であれば当分の間、猶予されることになりましたが、これについては施行から3年経過後に改めて検討することとされています。そのため、企業としてはこのような動きがあることを踏まえた上で、いまのうちから業務改善を行うなどして時間外労働の削減に取り組んでおくことが求められます。