11月1日申請分より雇用調整助成金の不正受給防止対策が強化
雇用調整助成金等の対象者の絶対数はまだまだ高い状況が続いて
おり、雇用調整助成金および中小企業緊急雇用安定助成金が果たし
ている役割の大きさがよく分かります。
しかし、その一方で、架空の休業や教育訓練を実施したといった
虚偽の申請などによる不正受給も多く、平成22年4月から7月の間だ
けを見ても54事業所、約10億7,617万円に上っています。これまで
も厚生労働省では休業等を実施した労働者に対して電話ヒアリング
を実施するなどの様々な不正受給防止対策の強化を行ってきており、
一定の効果はあったと考えられますが、依然として横行する不正受
給を防止するため、平成22年11月1日以降の申請分から更なる対策
強化が行われることとなりました。
具体的には、不正受給を行った事業所について、事業主の名称、
代表者氏名、事業所の名称、所在地、概要、不正受給の金額、内容
を公表するというものです。過去にも様々な助成金制度で不正受給
が出る度に支給要件が厳格化されるなどして、本当に受給すべき事
業所がそれを断念するようなことが繰り返されてきました。雇用調
整助成金は事実として多くの中小企業の雇用を守ってきた実績があ
るだけに、今回のような不正受給防止策が効果を発揮し、本当に受
給すべき企業が効果的に活用できる制度として継続して欲しいもの
です。
参考リンク
厚生労働省「不正受給防止対策の強化第3弾~雇用調整助成金の不
正受給が判明した事業所は事業所名・金額等を公表します」