迫りくる「人材不足」の実態と対応策
- 雇用・労働分野の切実な問題
現在、「人材不足」は雇用をめぐる最も切実な問題となりつつあります。
マスコミでもこの問題が頻繁に取り上げられており、
「人材不足で倒産する中小企業も増え始めている」との報道もありました。
特に、飲食サービス業や小売業、運送業等で状況が深刻であり、
人材不足により社員の業務の負担が高まり、
それがさらなる離職につながるといった悪循環も発生しています。
- 厳しい採用状況
実際、株式会社リクルートホールディングスの研究機関であるリクルートワークス研究所が行った
「人手不足の影響と対策に関する調査」では、正社員やパート・アルバイトの採用を実施した企業のうち
、3社に1社は必要な人数を確保できておらず、うち50%以上は事業に影響が出ているとの結果が出ています。
さらに、人数を確保できない状況を解消する見通しについて、
人材不足に陥っている企業の52.7%が「見通しがない」と回答しており、
今後ますます人材不足の影響が出てくることが懸念されています。
- 対応策はあるのか?
こうした状況を受けて、各社で人材を確保するための施策が行われています。
多くの企業で実施されているのは、
①採用対象の拡大(未経験者も採用対象とする、外国人を採用対象とする等)、
②処遇の改善(賃金の引上げ、アルバイト・パートの正社員登用等)、
③業務等の調整(業務の効率性の向上、外部人材の活用、アウトソーシング、受注調整、営業時間の調整等)です。
検討したいのは、主婦や高齢者の活用でしょう。
上記の調査によると、女性・高齢者を積極的に採用対象とする企業は約15%であり、
その状況は進んでいないと考えられますが、
株式会社リクルートジョブズの研究機関であるジョブズリサーチセンターが行った
「主婦の就業に関する1万人調査」を見ると、
M字カーブのボトムである「20~49歳の既婚・子供あり女性」について、
就業意向がない人は8.2%にとどまっているとのことで、
この層の活用が人材不足の解消につながることが大いに期待されます。