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社会保険労務士 栗林 隆

被用者年金の一元化法案について

現状において負担と給付の仕組みが異なっている厚生年金と共済年金について、平成24年217日の閣議で決定された社会保障・税一体改革大綱にしたがい、その被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案が通常国会へ提出されました。

~被用者年金とは?~

『民間企業や官公庁等に雇用されている人が加入する年金のことです。厚生年金や国家公務員共済組合、私立学校教職員共済などがこれにあたります』

(1)厚生年金に公務員及び私学教職員も加入することとし、2階部分の年金は厚生年金に統一する。

(2)共済年金と厚生年金の制度的な差異については、基本的に厚生年金に揃えて解消する。

(3)共済年金の12階部分の保険料を引き上げ、厚生年金の保険料率(上限18.3)に統一する。

(4)厚生年金事業の実施に当たっては、効率的な事務処理を行う観点から、共済組合や私立学校事業団を活用する。また、制度全体の給付と負担の状況を国の会計にとりまとめて計上する。

(5)共済年金にある公的年金としての3階部分(職域部分)は廃止する。公的年金としての3階部分(職域部分)廃止後の新たな年金については、別に法律で定める。

(6)追加費用削減のため、恩給期間に係る給付について本人負担の差に着目して27%引下げる。ただし、一定の配慮措置を講じる。

(7)施行日:(1)(5)平成2710月、(6)公務員の恩給期間に係る追加費用削減:公布から1年を超えない範囲内で政令で定める日

★制度的な差異の解消

今までは、厚生年金と共済年金とで、制度間の差異がありましたが、今後は、基本的に厚生年金に揃えることで差異を解消していくことになるようです。

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