相続税の税務調査状況について
相続税の税務調査について、国税庁が発表しましたのでその内容を案内します。
まず、平成27年より相続税の基礎控除額が従来の60%に圧縮されたため、相続税の申告対象者割合が死亡者の4%台から8%台へ倍増しました。
従来は、資産家が課税されるというイメージのものが、より一般的(?)な税となってきました。
(1)平成29事務年度における相続税の調査状況によると
①実地調査による申告漏れ課税価格は、1件当たりで、2,801万円となり、非違割合は83.7%と
なっています。これにより追加の税額は623万円となっています。
②申告漏れ相続財産の内訳は、現金・預貯金等34.1%で最も多く、続いて有価証券15.2%、土地11.8%
の順となっています。
また、基礎控除の圧縮により課税対象者が増加したため、実地調査割合は、20%台(5人に1人)から
12.2%(8人に1人)へ減少した。
(2)他方、実地調査のほか、文書、電話又は来署依頼による面接などによる「簡易な接触」が
増加しています。
簡易な接触による申告漏れ課税価格は1件当たりで462万円となっています。
これによる追加の税額は36万円となっています。
(3)この他にも、申告をしていない方への調査もあり、申告漏れ課税価格は1件当たりで8,117万円と
なり非違割合は84.3%となっています。これによる追加の税額は、722万円となっています。
以上、参考にしてください。