相続税のしくみ
今回は相続税の仕組みについてお話しします。
相続が発生した場合に、相続税の納税が必要かどうかは気になるところだと思いますが、相続の発生イコール相続税の納税ではなく、国税庁の統計によると平成16年~平成21年の間は死亡した人の4.1%~4.2%(約24人に1人)が課税となり、対象の被相続人1人当り平均2,400万円~2,700万円の納付税額が発生しています。
それでは、相続税のしくみを簡単に説明すると、まずは死亡した者に帰属していた財産(主に土地・家屋、現預金、有価証券、事業用財産、みなし財産など)及び相続時精算課税適用財産から非課税財産と債務・葬式費用を控除し、さらに暦年課税の3年以内贈与財産を加算します。
ここからさらに基礎控除(5,000万円+1,000万円×法定相続人数 平成23年12月現在)を控除して課税遺産総額を算出します。
基礎控除が大きいので控除後の金額がなければ納税額は発生しませんし、申告も必要ありません。
上記の課税遺産総額が発生した場合には課税遺産総額を一旦法定相続分で按分して、各按分した課税遺産に相続税の超過累進税率を適用して各税額を出し、これを合計して相続税の総額を出します。そしてこの相続税の総額を各人の実際の相続割合で按分します。
これから税額控除[配偶者控除(取得した財産の法定相続分又は、1億6千万円のいずれか大きい金額)未成年者控除、障害者控除など]を差し引いた金額が各相続人の納税額です。
少し複雑ですが、第1のポイントは財産が基礎控除額を超えるかどうか、第2のポイントは配偶者控除がどう影響するかではないでしょうか!