増加する一般事業主行動計画届出と来春の改正
先日、厚生労働省から「平成21年度雇用均等室における法施行状
況」が発表されました。これは、男女雇用機会均等法、育児・介護
休業法およびパートタイム労働法に関し、各都道府県労働局に相談
があった件数等を取りまとめたものです。
平成20年度から平成21年度の相談件数の推移を見てみると、平成
20年4月1日に改正法が施行されたパートタイム労働法については、
13,647件から5,222件と4割程度に減少となり、逆に平成22年6月30
日の施行となった改正育児・介護休業法については51,207件から
73,509件と4割程度の増加となっています。これらは事業主からの
相談による増減が影響しており、改正法に敏感に対応していこうと
する企業の姿が映し出されているといえるでしょう。
このほかにも注目しておきたいものとして、「一般事業主行動計
画届出状況」があります。この一般事業主行動計画は、次代の社会
を担う子どもが健やかに生まれ、育成される環境の整備を行う「次
世代育成支援対策」を進めるために、事業主に対し具体的な行動計
画の策定を義務付けたものであり、現在では301人以上の労働者を
雇用する事業主に対し、策定および各労働局雇用均等室への届出を
義務付けています。この策定・届出義務が来春、平成23年4月1日以
降から101人以上の労働者を雇用する事業主へと拡大されることと
なっています。この影響を受けてか、平成22年3月末現在の一般事
業主行動計画届出状況で300人以下企業については、昨年度の18,137
社からかなり増加し、23,278社となっています。策定・整備が完了
していない企業は、改正育児・介護休業法の整備の後に、こちらの
一般事業主行動計画の策定についても実行が可能となるような内容
を策定していきたいものです。
参考リンク
厚生労働省「平成21年度雇用均等室における法施行状況」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/roudoukyoku/jokyo.html
厚生労働省「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画について」
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/jisedai/index.html