健康保険の被保険者が死亡したとき埋葬料が支給されます
埋葬料は、健康保険の被保険者が死亡したとき、被保険者により生計を維持していた者で埋葬を行う者に支給されます。つまり、会社勤めの夫が死亡したときには妻に埋葬料が支給されるということです。生計維持関係とは、被扶養者の認定とは異なり、被保険者により生計の一部でも負担しているときは支給されます。必ずしも被扶養者である必要も、民法上の親族関係である必要もありません。埋葬を行なうべきものがある場合に支給されます。実際に埋葬を行なっていなくても支給されます。自殺であっても、絶対的事故であるため支給されます。埋葬料の支給額については以前は被保険者の報酬額によって決められていましたが、2006年度の医療制度改革によって一律5万円に引き下げられています。ただし健康保険組合の場合はその組合によっては埋葬附加金として埋葬料とは別に数万円別途支給されることもあります。
仕事中や通勤途中の災害による病気やケガで亡くなった場合は、健康保険の埋葬料は支給されません。労災保険から給付が受けられます。
埋葬料を受ける人がいないときは、埋葬を行った人に、埋葬費が支給されます。支給額は、5万円の範囲内で、実際に埋葬に要した費用が支給されます。
また、被保険者である間の死亡ではなく、次の事由による場合も、埋葬料が支給されます。
① 被保険者資格を喪失した日後、3カ月以内の死亡
② 被保険者資格を喪失後継続して、出産手当金、傷病手当金などの受給中の死亡
③ 上記②の給付を受給終了日後、3カ月以内の死亡
家族埋葬料は、被扶養者が亡くなったとき支給されます。支給額は5万円です。家族埋葬料は上記①~③の場合は支給されません。
健康保険被保険者証(健康保険証)に記載されている管轄の全国健康保険協会各都道府県支部または各健康保険組合に埋葬料(費)支給申請書を提出することにより申請します。提出期限は死亡日(埋葬費の場合は埋葬した日)の翌日から2年以内です。添付資料については全国健康保険協会各都道府県支部または各健康保険組合にお問い合わせください。
被保険者が亡くなった場合、被保険者が受けることができた保険給付で、まだ受け取っていないものは、国民年金や厚生年金などの未支給の給付とは異なり、相続権者が請求することができます(例:傷病手当金、高額療養費等)。それらの給付がある場合は、埋葬料(費)と一緒に請求するとよいでしょう。