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税理士 阿部敬次

上場株式等の譲渡損失と配当の損益通算

 今年も早いものでもう11月となりました。

 今回は株式に関係する税についてお話します。

 

 昨年の世界同時不況より、株価の方も少しは回復してきましたが、なかなか

以前の水準までは、戻っていないようです。

 

 まだ株式に含み損を抱えている方も多いことと思います。今回ご紹介する内

容が少しでも参考になればと思います。前提条件として、上場株式等の譲渡損

益と上場株式等に係る配当となります。

 

 まず、平成21年以後の年分において上場株式等を金融商品取引業者等を通

じて売却し生じた譲渡損失の金額は、確定申告により、その年分の上場株式等

に係る配当所得の金額(申告分離課税を選択したものに限ります。以下同じ)と

損益通算ができ、その分の所得税を少なくすることができます。

 

 また、損益通算してもなお控除しきれない損失の金額については、翌年以後3

間にわたり株式等に係る譲渡所得等の金額及び上場株式等に係る配当等の

金額から繰越控除できます。

 

 適用条件として、その適用年分の確定申告書に、その旨を記載し、かつ一定

の書類を添付する必要があります。

 

 

 また、繰越控除をするためには、譲渡損失の金額が生じた年分の確定申告書

提出するとともに、その後の年においても連続して確定申告書を提出する必要

あります。

 

 平成22年1月1日以後は、特定口座の源泉徴収口座に上場株式等の配当等を

け入れて、確定申告をせずに同一口座内の譲渡損失と損益通算することがで

きるようになります。

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